Importante memoria
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ここはどこだろう・・・何か月も死ぬ物狂いで逃げ続けてたどり着いた土地には、
どこまでもつつく青い海と、ただひっそりと灯台がたたずむだけだった。
† † † †
―――バンッ!!
「大変だよ!!海岸で女の子がッ!」
茶色の髪の少年・・・スコール"は、慌てて扉を開けて中にいた2人の大人を呼ぶ。
大人たちは顔を見合せて、スコールに場所を教えてもらい、少女のいる海へと向かった。
二人がその場所へ着くと、スコールと同じくらいの年ごろの長い銀髪の少女が倒れていた。
少女は長旅のせいか疲労がたまっていて、なかなか目を覚まさない。
「見た感じ怪我はなさそうだけど・・・・」
女性は少女に怪我はないかと確かめながら、男性に話しかける。
「そうですか、それはよかった・・」男は安堵の表情を浮かべた。
「この子、どこから来たの?」
スコールは、見慣れない少女の顔を不思議そうにじっと見ながら女性に聞く。
「わからないわ。でもだからといって、このままほっておくのも可哀想でしょう?」
女性は優しそうな目でスコールに言った。
スコールは、黙ってコクリと頷く。
「さてと・・・」
男性は、少女をヒョイと抱き上げた。
2人は少女を家に連れていく。
スコールは、二人のあとを心配そうに追いかけて行った。
その日から3日間が過ぎた。
しかし、少女はまだ目を覚ますことがなく、スコールは心配そうに彼女を見守っていた。
ふとスコールはベットの横にある棚に見たことのないものが置いてあるのに気がついた。
どうやら、少女が持っていたものだ。
それは、15cmくらいの細い棒で、先端には布できた蝶や、小花が付いていて、アクセサリーのようだった。
もし本当にアクセサリーならば、早く少女がこれをつけている姿を見てみたい・・・
「ねぇ、早く君がこれをつけてる姿を見てみたいよ。だから、早く目を覚ましてよ。僕と遊ぼう?」
スコールは、まだ目を覚まさない少女に向かってそう呟いた。
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