Un invito
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「(・・・・夢かぁ。)」
は、起きたついでに水でも飲もうとキッチンへと向かった。
「ふぁぁ〜」
大きな欠伸をしながら冷蔵庫を開ける。
部屋からの音しか聞こえないところを見ると、ルームメイトは、どうやら出かけているらしい。
つい最近まで、試験勉強のため平均睡眠時間が2、3時間ということが続いていた。
は、元からそこまで成績が低いということはなかった。
むしろ、上位に入る成績の持ち主だが念には念をと思い、その結果寝不足となった。
† † †
先程、合否発表が行われた。
は、その努力のおかげで見事合格することができた。
その後、担任のキスティス・トゥリープから、筆記試験合格者の説明を受けていた。
その時からもう既には、夢の世界へと旅立とうとしていたのだが、
隣にいたの兄・・・・スコール・レオンハートによって妨げれらてきた。
「(この野郎・・・)」少々スコールを恨んだ。
ぼんやりしていたら、いつの間にかキスティスの話は終わっていたらしく、
生徒のほとんどが教室から出ていってた。
「(あ〜・・・・終わったぁー・・。早く戻って寝よう・・。)」
は、腕を真上に伸ばしながら思った。
「おい・・・。」
ふと、の背後から誰かの声がした。
振り返ってみると、スコールが呆れた顔をしながら立っていた。
「あ、お兄ちゃんまだいたんだぁ。先に戻ってるかと思った。」
「・・・そう思ったんだが、俺が先に戻ったらお前ずっとここで寝てるだろう?」
「そんなことないよ。ちゃんと、ベットで寝ようと思ったんだからね。」
「(反抗期だろうか。)・・・・行くぞ。」
そう言って、先に行ってしまうスコール。
もいつものことだとあまり気にせず彼の後を追う。
「あ。」
スコールに追いついたは、急に何かを思い出したように声を上げた。
「どうした?」
「あのさ、もしよかったら一緒に課題受けない?」
「・・・・・・」
「別に深い意味とかはないよ?たださ、なんとなくなんだけど・・・」
「・・・・」
「(・・・・あくまで無言ですかい、お兄さん。)」
「あ、嫌なら「別に・・・」
スコールは、の言葉を遮りながら続けた。
「一緒に行ってもかまわない・・・」
スコールの言葉を聞いた瞬間、は表情を輝かせた。
「ホント!?」
「あぁ。」
「やったーッ。時間とかはお兄ちゃんが決めていいよ?また決まったら、教えて。」
スコールは無言でうなずく。
別に断っても良かったのだが、スコールはなんとなくOKしてしまった。
「(何故だ?)」
スコールはしばらく考えてみたが、納得のいく答えが出なかった。
「じゃあ、ここで・・・。」
「あぁ。」
いつの間にかの部屋まで来ていたので、2人はそこで別れた。
† † †
そして、今に至るわけである。
「(それにしても、まさか一緒に行ってくれるとは思わなかったな・・・。)」
は、驚きつつも、その半面で喜びも感じていた。
年月を重ねるごとに、スコールとの間には大きな壁ができた。
昔はどこに行くのも一緒だった2人だが、最近は食事や訓練も別々に行うようになってきた。
だから、今回スコールと課題に行けることが嬉しい。
「あ〜楽しみッ!!そうだ、足引っ張るといけないから、後で自主トレ行っとこ。」
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