Due persone

-------------------------------------------------------------------------------- <<ズキンッ>> 「ッ!」 腕を振り上げるたびに鋭い痛みが走る。 「(大丈夫・・・あと少しだから。)」 自分にそう言い聞かせて、目の前のアルケオダイノスにシュヴェルツェを振りかざす。 <<ギャォッッッ!!>> いくらアルケオダイノスの肌が固くても、シュヴェルツェの固さには敵わない。 アルケオダイノスが悲痛な声をあげてこちらへと向かってくる。 がシュヴェルツェを構えた瞬間、 「ッ!!」 どうやら、シヴァを召喚する準備が整ったようだ。 スコールの声を合図には、後ろへと退く。 辺りの温度が一気に下がる。 数十メートルはある氷柱が現れ、美しい女性の姿をしたシヴァが眠りから覚めた。 シヴァは、細く白い腕をアルケオダイノスへと向ける。 すると一瞬にしてアルケオダイノスは氷に包まれた。 <<ドサァァッ>> アルケオダイノスは声を上げることなく倒れ、そのまま消滅していった。 「フゥッ。」 戦闘が終わった瞬間、は緊張感が一気に無くなりその場に座り込んだ。 「大丈夫か?」 スコールはガンブレードをしまい、の元に向かった。 は、顔だけスコールのほうへ向ける。 「うん。大丈夫、ありがと。」 「何がだ?」 スコールは何故に、礼を言われるのか分からなかった。 「ほら、助けてくれたからさッ。私1人じゃ、絶対倒せなかったから・・・。」 だんだん声が小さくなっていく。 ""また、スコールの足を引っ張った"" の心をその言葉だけが支配する。 俯いたまま、顔を上げようとしない。 <<ポンッ>> ふいにスコールは、の頭に手を乗せた。 驚いたが顔を上げると、スコールは少しだけ口を緩ませて、 「気にするな、俺だってアルケオダイノスを1人で倒すのは無理だ。」 「お兄ちゃん・・。」 普段とは違うスコールの柔らかい表情。 こんなスコールの表情を最後に見たのは何時だっただろうか。 時が経つにつれて、心を閉ざしてきたスコール。 そんな彼が一瞬でも自分に心を開いてくれたことが、はたまらなく嬉しかった。 「ありがとね。」 は、もう一度スコールに言った。 今はまだ無理かもしれないけど、いつか絶対にスコールがずっと笑ってくれるように。 大好きだったあの表情がまた見られるように。 は心に誓った。