rodaggio
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ざわめく教室の中、は1人机に伏して昨日の出来事を思い出していた。
昨日は様々な出来事が起こり過ぎた。
「(なんか一気に老けた気がする・・。)」
はぁと溜め息を付くの前に大きな影が現れた。
視点を上へ上へと持っていくと、サイファーがいた。
「・・・何?」
はサイファーの出現により更に老化が進んだ気がした。
そんなの様子など気にも留めずに、隣にどかりと腰かける。
「(何か普通に座ってるし。)」
空気を読まない、否読もうとしないサイファーには白い目で見る。
「なんだよ。」
「別にぃ〜。」
サイファーは小さく舌打ちをし、ふと何か思い出したような顔をした。
「そういえばよ、今日らしいな。」
「何が?」
「試験だよ、試験。」
知らなかったのか、と少し驚かれたが昨日はそんな事を考える余裕もなかった。
「へぇー。」
「随分と余裕だな。それとも、諦めたのかよ。どっちにしろ、お前らは出れないからな。」
「え・・。」
いつもの厭味なんて、聞き流すつもりでいたがこれは聞き捨てならない。
「参加できないってどういうこと?」
するとサイファーは呆れた顔を浮かべた。
「お前ら課題は受けたのかよ。」
「・・受けてない。」
そうだ、忘れてた。
昨日行くつもりでいたのに、このバカ(サイファー)に邪魔されたんだった。
「ハッ、まぁお前らが試験に出ようが俺には関係ないがな。」
俺は合格するかなら、などと聞いてもいない事を答えるサイファーはこの際無視しよう。
「(とりあえず、今日受けるしかないよね・・。)」
思い出させてくれたサイファーに偶には役に立つと思ったが、本はと言えばコイツが原因じゃないかと
気付いて、その考えは葬られた。
数分後、キャスティスが入室した。
そして、彼女に続くようにスコールも教室に着いたようだ。
スコールはとサイファーをチラリと見た後、彼女達とは正反対の位置に着席した。
「おはよう、まず今日の予定からね。」
手持ちの予定表を開きながら、キャスティスは続ける。
「もう知ってるかもしれないけど、今日の夕方からSeed選考の実地試験が開始されます。
試験を受けない人、筆記試験で失敗しちゃった人は教室で自習。
参加する人は、夕方まで自由行動。今回はいつもの試験以上に念入りな準備をしておいてね。
16時に各班のメンバー発表をするから。OK?」
一通りの説明をして、キャスティスは周囲を見渡す。
そして、鋭い目でサイファーを睨みつけた。
「それから、サイファー!練習時に相手を怪我させないように!以後気をつけなさい。」
当人はスコールを一瞥して、拳を力強く叩きつけた。
「ッ!びっくりしたぁ、いきなり何なわけ?」
「うるせぇ。」
「(子供か、アンタは。)」
「それじゃあ、参加者はまた後でね。」
サイファーの威嚇を物ともせずにキャスティスは解散を告げた。
それを合図に教室内の張り詰めた空気が一気に解放された。
友達の所へ行く者、机に伏せる者、各々自由な行動をとっている中、
サイファーは足早に教室を出て行ってしまった。
「スコール、、ちょっといいかしら。」
キャスティスが2人に声をかけた。
「はい?」
予想外の呼び出しに何かやらかしたかと驚いたが、とりあえず彼女の元へ行くことにした。
「なんですか、先生?」
スコールが来たのを確認し、キャスティスは口を開いた。
「貴方達、炎の洞窟に行ってないでしょ?あの課題をクリアしないと今日の試験には参加できないのよ。」
「あぁ、その事ですか。」
は、事の原因である人物を思い受けべながら呟いた。
「何か特別な理由でもあるの?」
「別に。」
スコールが答える。
おそらく彼もと同じ事を考えているだろう。
「そう?なら、これから一緒に行くわよ。自信が無かったら学習用パネルで復習してからでもOKよ。
私は正門で待ってるから準備が出来たら来なさい。」
「「了解。」」
2人の返事を聞き、優しい微笑みを浮かべると教室を出て行った。
「お兄ちゃん。」
「何だ?」
「準備OK?」
「あぁ。」
「そっか、それじゃあ行こ!」
2人はキャスティスの待つ正門へと向かった。
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