Due persone
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<<パチッパチッ>>
色とりどりの花火が校庭の暗闇を明るくする。
「奇麗だねぇ。」
いや、お前のほうが・・口に出そうになるがグッとそれを堪え、
「あぁ。」とだけ答えた。
との間に流れる甘い雰囲気に、思わず口説きそうになってしまう。
いや、むしろこのまま二人だけの世界に入ってしまいたい。
なのに・・・
「ちょっとー?スコール乗り悪いよー!!」
「リノアの言うとおりだぜッ。もっと、盛り上がろうぜー!!」
・・・盛り上がってたさ。
現にさっきだって・・・お前らの声が聞こえるまではな。
「ちょ、セルフィさすがにそれはやり過ぎだと思うよ?」
「?なんでー?」
「なんでって・・・。」
セルフィの両手には数本・・・いや、数十本だろうか、とにかくたくさんの花火があって、激しく燃えている。
・・・確かにやり過ぎだ。しかし、一応盛り上がっている。
どうせなら、こいつらも混ぜてほしいくらいだ。
・・・・どうして、こんな大人数になったんだ?
最初は、と2人っきりの予定だったんだが・・・・。なぜこうなった?
どこで、話がもつれたんだ?
<回想>
「スコール!!」
が俺の名前を呼びながらこちらへと走ってくる。
そんなに走らなくてもいいんだが。
「なにか用か?」
そう俺が尋ねると、が顔を赤くして俯いた。
その姿を見て思わず抱きしめたくなる。
俺がに手を伸ばそうとすると、
「スコール・・・今夜平気////?」
がやっと口を開いた。
「!!!」
の言葉を聞いて、驚きを隠せなかった。
・・普段は俺が誘っても、嫌がるのに(結局はヤる)今回は、から誘ってきた。
まさかが嘘をつくとも思えないし・・・
「////」
顔の熱が上昇していくのがわかった。
「スコール?あ、もしかして他に予定あるの・・?」
は、今にも泣きそうな顔で俺を見上げてくる。
「いや・・・そんなことないが、お前から誘ってくるのが珍しくて・・。」
「? あ、今夜スコールの部屋に行くから、ちゃんと準備しといてね」
「あぁ。」
「じゃあ、他の子も誘ってくるから、またあとでッ!!」
<回想終了>
・・・・・。
話はどこももつれてなかったようだ。
いや、むしろ俺の頭の中がもつれてたようだ。
・・・・・。
「はぁ。」
俺の溜め息を聞いてがこちらを向いた。
「スコール、つまんない?」
不安そうな顔つきでこちらを見てくる。
そんな彼女を見て俺は慌てて
「いや、そんなことない。」
俺は即座に否定した。
それを聞いて安心したのか、は笑顔で、
「あのね、スコール。」
「ん?」
「私ね本当は、花火2人でやろうと思ってたんだ。」
「え?」
俺は、耳を疑った。
まさか、も俺と同じことを考えていたとは、思いもよらなかった。
「けど、もしスコールに断られたら1人花火になっちゃうでしょ?それは、ちょっと寂しいから・・・・。」
あぁ、だからこいつらを誘ったのか。
俺は、そっと手を伸ばしてを抱き寄せた。
「きゃ!」
突然抱き寄せられたは、声を上げてしまったようだが気にせずに耳元で囁いた。
「俺はお前の誘いを断るほどバカじゃない。」
「ホント?」
は、顔をあげてそう聞いた。
「あぁ。信用できないか?」
「ううん!そんなことないよ。」
は、慌ててそう言った。そんな彼女がたまらなく愛おしくなった。
俺は、を持ち上げゼル達から離れた場所へ向かった。
幸いゼル達も花火に夢中で気付かなかったようだ。
「ちょっ、スコール!?」
は、最初のうち予想外の俺の行動に抵抗したが、やがて無駄だと悟ったらしく、
大人しくしている。
しばらく歩いて、校庭の奥でそっとをおろした。
「スコールどうしたの急に?」
「ここなら、2人っきりで花火できるだろ?」
「でも、花火持ってきてないよ?」
そういうに向かって、俺は密かに持ってきた数本の花火を彼女に見せた。
「スコールってさ、何気に準備いいよね。」
彼女はくすくす笑っている。
「そうか?」
「うん。なんていうか、さすがって感じ。」
は、時々理解できない。
でも、だからこそ俺は彼女に惹かれたんじゃないかと思う。
そんなことを考えていたら、いつの間にか線香花火だけになっていた。
「もう線香花火しかないや、早いね。」
「もう少し持ってこればよかったな。」
「あ、そういう意味じゃなくて。」
「?」
俺は、の言葉の意味が理解できず彼女の言葉を待つ。
すると、の顔が赤くなっていく。
「///スコールといるとさ、緊張して・・花火に集中できなくて・・・それで、早いなぁって。」
「!?」
顔を赤らめながら言うを見て俺は思った。
「(制御不可能だな・・・。)」
そう思いながら、まだ恥ずかしそうに俯くの腕を引っ張る。
「スッ、スコール!?///」
が何か言いたそうだったが、その唇を塞いだ。
<チュッ>
ワザと音を立ててやれば、は今までにないほど顔を赤くした。
「(どうかんがえても、誘っているとしか思えない・・・。)」
そう思ってまた俺は、の唇を塞いだ。
今度はもっと長くて深い口付け・・・・。
「(夜は長いぞ?)」
そう思いながら、まだ彼女を解放してやらない俺の後ろには、数本の線香花火が残っている。
〜END〜
――――― あとがき――――――
ハイ、すいませんでしたッ!!√て○
スコール・・・キャラ違いますね;;;
しかも、最後無理やりだし・・・・。
このあと二人は・・・・・皆さんのご想像にお任せしますッ!!!笑
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