制服姿
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あかりは、食堂へ向かう廊下を歩いている。
彼女の友人であるセルフィとお茶をする約束をしていたのだ。
SeeDである2人は、お互い違う任務に就いており、共に過ごす時間がが少なくなっていた。
そこで、2人の共有の休日にお茶をしようと先日セルフィに誘われたのだ。
廊下で擦れ違う事はあっても、ゆっくり話すことは数ヵ月ぶりである。
あかりは心を弾ませながら、何の話をしようと考えている内に食堂に着いた。
「(セルフィはもう来てるのかな・・?)」
辺りを見渡すと、読書している人間やカードに勤しんでいる人々など各々休日を満喫しているようだ。
その中に見覚えのある後ろ姿を見つけた。
距離が3mくらいになった頃、セルフィがふと振り返った。
セルフィはあかりを見つけると嬉しそうに手を振ってくれる。
あかりも振り返し、小走りに彼女の元へ向かった。
「ごめん、待たせちゃった?」
セルフィの向かいの椅子に腰を掛けながら尋ねる。
少々、心配そうな顔のあかりにセルフィはふにゃりと笑いながら、
「ううん、大丈夫だよー。久しぶりだね〜。」
セルフィの変わらない笑顔にあかりも思わず顔がほころぶ。
「うん、最近全然会えなかったからね。」
「そうそう、廊下とかで擦れ違っても挨拶くらいだもんね。」
「そうだよねー。あれ、何か見てたの?」
あかりは、セルフィの手元にある厚めの雑誌に目を向けた。
「あぁ、これ?コスプレ雑誌だよー。」
「コスプレ!?」
てっきりファッション雑誌と思っていたあかりは、予想外の彼女の答えに声を上げた。
「(セルフィが変わってるのは知ってたけどまさかここまで・・・・。)」
友人の異色ぶりに声が出ないあかり。
そんな彼女を見てセルフィは不満げに
「あー、今失礼な事考えてたでしょー?コレは文化祭でやる舞台の衣裳探してるだけだからねッ。」
「あ、そういうことか。てっきりセルフィがそっち系に走ったのかと・・。」
興奮気味のセルフィを鎮めがらあかりは答えた。
「失礼ねー。まぁ、ちょっとは興味あるけど。」
「(あるんだ・・。)と、ところでどんな衣装探してるの?」
「んー、まだ台本がしっかり決まってないから、何とも言えないんだけど。
とりえず、気に入ったのにチェックしてるの。」
セルフィは雑誌を開いて、あかりに見せる。
あかりも興味深そうに、色とりどりの衣装見渡す。
「結構種類あるんだねー。あ、これ可愛いッ!!」
あかりが、雑誌のある一点を指さす。
ページには、セーラー服やブレザーなど様々な制服が載っているようだ。
「どれどれ・・・?あ、可愛いねッ。」
あかりの気に入った衣装は、水兵制服の様に肩からラインが入っており、胸元には赤色のスカーフ、
上着と同じ素材のスカートには細かいヒダのセーラー服である。
「これも一応制服なんだ。私達のと違うんだね。」
「確かに。ウチはこっちのがいいなー。学園長変えてくれないかな・・。」
「さすがに無理でしょー。」
「うー。」
「セルフィーー。」
セルフィが机に伏して唸っていると、背後から彼女を呼ぶ声がした。
声のする方を見てみると、女生徒がこちらへ向かってくる。
「セルフィ?呼ばれてるみたいだけど。」
未だに顔を上げようとしないセルフィに声を掛ける。
「あーーッ!」
声を上げて、セルフィが勢いよく立ちあがった。
「どーしたの急に!?」
あまりにも急なことで思わずあかりも声を荒げてしまう。
「ゴメン、あかり!今日、委員会の打ち合わせがあったの忘れてたッ。」
「え、大丈夫なの?」
慌てて荷物をまとめる彼女に声を掛ける。
「うー、ヤバイかもッ。もう行かなきゃ!ごめんねー。」
セルフィはそう言い残して、迎えに来てくれた同じ委員会なのであろう、女生徒と足早に駆けて行った。
セルフィを見送ってから、あかりも自分の荷物をまとめ、食堂を後にした。
それから数日後・・・。
あかりの部屋にセルフィが訪れた。
セルフィは大きめの紙袋を持って、満面の笑みを浮かべている。
あかりは不思議に思ったが、特に声に出すことはなく彼女にお茶を出した。
「ありがと。」
「いいよ。舞台の方は順調に進んでるの?」
「うん、後は練習あるのみって感じだよ。衣装も届いたしね。」
そう言いいながら、セルフィは持ってきた紙袋の中からある物を出してあかりに渡した。
「あ、これって・・。」
受けっとった物には見覚えがあった。
「そう、あかりがこの前可愛いって言ってたやつだよ。
あの後、テーマ決めして学園モノのラブコメになったんだ。」
「そうなんだ。」
あかりは、目の前にある衣装をまじまじと見つめた。
「(雑誌で見た時よりも可愛い気がする・・。)」
真剣に見つめるあかりを見てセルフィはある提案をした。
「一回着てみたら?サイズ的にも丁度いいし・・。」
「えっ、いいの?」
あかりは目を輝かせながら尋ねる。
その眼は新しい玩具を与えられた子供の様である。
「もちろんだよ!一回見てみたかったしねーッ。」
「ありがとー。」
そう言って、あかりは衣装を持って奥の部屋に向かった。
あかりを見送った後セルフィは、いそいそと部屋を出てある場所に向かった。
――コンコンっ
スコールの部屋の扉からノック音が聞こえた。
ベットに寝ていたスコールは、起き上がって扉を開ける。
「あかり・・?」
「残念でしたー。あかりじゃないよ。」
扉の向こうから現れたのは、セルフィであった。
「セルフィか・・。」
スコールの声がワントーン下がる。
「いくらなんでも失礼でしょー。まぁ、いいや。はんちょ今暇?」
「・・あぁ。」
「じゃ、あかりの部屋に行ってみてよ、いいものが見れるよー。」
「あかりの・・?わかった。」
「じゃあねー。」
セルフィは元気よく手を振って去って行く。
スコールはセルフィと正反対の方向に足を進めた。
「セルフィー?着替えたよー。・・あれ?」
初めて着る服なので、勝手が分からず時間がかかってしまった。
やっとの思いで着替え終って、リビングに戻るとそこにセルフィの姿は見当たらなかった。
「どこいっちゃったんだろ・・。」
―――コンコンッ
「セルフィかな。」
扉を開けるとそこに立っていたのは、セルフィではなくスコールはだった。
「あ、スコール。どうしたの?」
「・・・。」
「スコール?」
立ったまま微動だしないスコール。
「あ、あぁ・・。その恰好は?」
「え、あぁ。セルフィに着せてもらったの。舞台衣装みたいなんだけど、どうかな?」
「・・・。」
無言のスコールにあかりは焦りを感じる。
「(何か喋ってよー;;)や、やっぱり変だよねッ、着替えてくるッ。」
そう言って、脱衣所に向かおうとするあかりの腕をスコールが掴んだ。
そして驚く間もなく、すっぽりと彼の腕の中に閉じ込めれられていた。
「スコー「可愛すぎだ・・。」・・へ?」
あかりの言葉を遮るようにスコールは囁いた。
「あ、ありがと////」
あかりは、スコールの背に手を回した。
2人の距離が一層短くなる。
「あまりの可愛さに言葉がでなかった・・。悪かった。」
「ううん、大丈夫。似合わないって言われると思って・・。」
「そんなこと言うわけない。あかりは、何着たって似合うよ。」
スコールはあかりの額に口付けを落とす。
「////」
あまりの恥ずかしさにあかりは彼の胸に顔を埋める。
そんなあかりにスコールはクスリッと笑って、あかりを抱き上げた。
「え、す、スコール?」
「すまない、止められそうにない・・。」
「えーー!?ちょ、ダメだよ。この服借り物だしッ。」
「すぐに脱ぐから構わない。・・・いや、中途半端の方が・・。」
そう呟くスコールにあかりは身の危険を感じた。
「や、やらないって手は・・。」
「却下だな。」
「そ、そんなぁー。」
「あきらめろ。そんな恰好をするお前が悪い。」
スコールは優しくあかりをベットに乗せ、彼女の上に跨る。
そして、胸元のスカーフをしゅるりと解き、抵抗できないよう、あかりの手を一つに束ねた。
雑誌で見た時には、可愛いと思ったスカーフだが今はこのスカーフが忌々しい・・。
そして、あかりはスコールにしっかりと頂かれたのであった。
―END―
†あとがき†
初お題、お相手はスコールでしたッ!!
最後まで読んで頂いてありがとうございますm(_ _)m
裏まで行きそうな雰囲気だったんですが、ここで切らせていただきました。
零蝶はチキンなので・・(゜д゜;;)
セーラーかブレザーか迷ったんですが、あえてセーラーにしました^^
姉とかにも聞いて・・、セーラーのがスカーフあるから便利かと・・(爆)
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