猫耳の女の子
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「・・・・これは・・」
目の前にいる少女を見て真弘先輩が呆然とつぶやく。
「・・・・なんなんでしょう・・」
同じく少女を見て、慎司君も呟く。
「・・・・」
祐一先輩も無言で目の前にいる少女を見る。
そして、同じく私も・・・。
別に少女が珍しいわけでもないんだけど・・・アリアだってそうだし。
これくらいの年の子なんて村にはたくさんいる・・・だけど、学校の屋上で気持ちよさそうに寝てる子は、
そう見ないよね。ううん、初めてだ。それだけじゃない・・・だってこの子・・
「なぁ、普通さ耳って・・・・」
真弘先輩も同じことを思ったみたい。
「顔の横ですよね。」
うん、そうだよね。普通は顔の横だよね。でも、この子・・・・
「耳がねぇーーー!!!!???」
「それは違うぞ、真弘。」
冷静な突っ込みです先輩。
でも、そういう問題じゃないような・・・・。
祐一先輩の言うとおり、耳がないんじゃなくて・・・・
「耳の位置がおかしいんですよね。」
そう!慎司君の言うとおりおかしいの耳の位置が!!本来あるべきところにないの!!
それに・・・これは、・・「ネコ耳?」
<<ピクッ>>
私の声に反応したのか、その子の耳が動いた。
「うをっ!!」
いや、真弘先輩驚きすぎですから。
「そんな大声出しちゃ、起きちゃいますよ?」
慎司君が慌てて、真弘先輩の口をふさぐ。
<<ムクッ>>
「「「「あ。」」」」
少女が眠たそうな顔をして、こちらを見てくる。・・・なんて言うかこの子・・・
「可愛いな。」
そう!!可愛い!!・・・・あれ??なんか、私が言う前に誰かが代弁してくれたんで
すけど・・・・しかもこの声は・・・・
「「「祐一ッ(先輩)!?」」」
本人以外の全員が祐一先輩のほうに振り替える。
予想外すぎるよ・・・確かに可愛いけどさ、先輩が言うとなんて言うか・・・・ロリコ
ン??(酷)
2人も同じことを思ったみたいで、真弘先輩は祐一先輩の肩に手を置き、慎司君は同情の
目で見ている。
「?」
気づいてない祐一先輩は、不思議そうな顔をしている。
<<ガチャ>>
そんな時、扉が開いて拓摩が入ってきた。
「何してんスか??」
「おぉ、拓摩!実はだな「拓摩様ッ!!」
拓摩の質問に答えようとする真弘先輩の声を幼い少女の声が遮る。
え・・・ていうか、この子今・・拓摩のこと・・
「拓摩様って言ったよな。」
「えぇ、僕もそう聞こえました。」
「・・・・俺も。」
「私もそう聞こえました。」
「・・・・。」
拓摩は、何が何だか分からない様子。
そんな拓摩を尻目に、少女は可愛らしい足音を立てて拓摩のほうへと走っていく。
そして・・・・
<<ギュウッ>>
『!?』
えっ・・・え!?何これ・・??なんか、拓摩に抱きついてるけど・・・え、何で??
どうやら、他のみんなも驚いてるみたい。
無理もないよね・・・。
しばらく茫然としていた拓摩が、我にかえって
「ちょっ、お前!?」
慌てて少女を自分から引きはがそうとする。
・・・が
「ふにゃ・・・」
少女が今にも泣きそうな顔をして拓摩を見上げる。
「うっ。」
さすがの拓摩も、小さい子を泣かすわけにはいかないと思ったらしく、引きはがすこと
をあきらめた。
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