Welcome back!!
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翌日の昼時、拓磨は昨日の出来事を守護者と珠紀に話した。
「・・・と言う事ッス。」
自分達の想像を超えた出来事に一同は静まり返る。
「と、とりあえずお昼にしませんか?」
場の空気を変えようと慎司が口を開いた。
「そうだね、とりあえず食べちゃおう。」
珠紀が賛同し、一同は昼食をとることにした。
◆ ◆ ◆
そして何の情報も得る事が出来ずに時間だけがただ過ぎ、拓磨達は帰路に着いていた。
「あ、」
ふと、珠紀が声を上げる。
「どうしたー?」
先頭を歩いていた真弘が振り返る。
「何かあったのか。」
今度は隣を歩く拓磨が口を開いた。
その表情は警戒が見え隠れしている。
微量ではあるが、何かを感じたようだ。
「(おそらくカミだな・・。)」
鬼斬丸封印後、カミ達は比較的に大人しくなった。
だが、完全と言う訳ではない。
「何か居る。」
祐一が呟いた。
「ん?どうしたお前ら?」
一人、状況の掴めない真弘を置いて守護者達は姿の見えない敵を警戒し始めた。
一瞬にして和やかな雰囲気は消え去り、忘れかけていた緊張感が蘇る。
「違う・・。敵じゃないよ。」
珠紀の言葉に全員が一斉に振り返った。
「どう言う事だ?」
祐一が問うた。
「確かに・・何か感じるんですけど、何となく敵意が感じられないって言うか・・・。」
曖昧ではあるが、自分の中の何かが敵ではないと告げている気がした。
「平和ボケの所為じゃないのか?」
拓磨の一言に珠紀は言い返せずに俯く。
「まぁ、どっちにしろお前は俺様達が守ってやるからな。」
ようやく状況把握ができた真弘の言葉に珠紀は頷いた。
「来るぞッ。」
鼓動が高鳴る。
「カミだろうが何だろうがかかってこい・・・・ん?」
真弘が意気込むを消沈させたのは意外な人物の登場だった。
「あれは・・卓さん?それに・・ちゃん?」
視線の先にいたのはカミではなく、卓とだった。
手を繋いで歩く姿は宛ら親子の様である。
ふと、二人が拓磨達の姿にに気が付い様子でこちらに向かって手を振ってきた。
「こんにちは。学校お疲れ様でした。」
「拓磨様ー!!」
「うをぉ!?」
にーっ、と鳴きながら拓磨にダイブする。
を咄嗟にキャッチをする拓磨。
そんな彼に珠紀と慎司は心の中で拍手を送った。
「どうしてと卓さんが一緒に・・?」
先程から成り行きを見守っていた祐一が口を開いた。
「あぁ、彼女とは先程出会いまして。道に迷っている様子でしたので、声を掛けたのですよ。
話を聞いてみると、鬼崎君に用があるらしいようですね。
私も宇賀谷家に夕飯に呼ばれているので、ご一緒したのですよ。」
「そうだったんですか。てっきり、ちゃんと知り合いかと思いました。」
「そうですか?」
「はい!親子みたいでしたよ。」
「親子、ですか。・・・・・・親近相姦と言うのも悪くないですねぇ。」
顎に出を当てながら呟く。
珠紀はビクリと肩を上げ、若干顔を引きつらせる。
「す、卓さん?何かいけない単語が聞こえたんですが・・。」
「気のせいでしょう。」
そう言い切った卓に珠紀はこれ以上何も言えなかった。
「す、卓さんにそんな趣味があるなんて・・・。」
「あぁ、危険だな。」
会話を聞いていた祐一と慎司の中はこれから先、を彼に近づけない方がいいと言うことを発見した。
そんな二人を知ってか知らずか当人は、さぁ早く行きましょう、と笑っていた。
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