帰り道

-------------------------------------------------------------------------------- が俺の家に住み込むようになって何週間か経つ。 お袋達はを家に置くことを意外にもあっさりと同意してくれた。 まぁ、元から軽い性格だが・・。 姫は、俺が学校にいる間はお袋の手伝いをしているらしい。 そして、俺が帰路に着こうとすると・・・。 「おかえりなさいッ!!」 ひょっこり校門から姿を現す。初めてやられた時は、心臓が飛び出るかと思った。 は霊感の強い人間にしか見れないから、心配することないらしいが・・。<祐一談> 「あぁ、ただいま。」 ふわふわの髪の毛を撫でると、少し擽ったそうな仕草を見せる。 「(可愛いな。)・・・帰るか。」 「うん!」 手を差し伸べると、俺の手よりも一回り以上小さい手が重なる。 それを確認すると、再び足を進める。 「今日はねー、ママ様にタイ焼き貰ったのッ。」 「ホントか?俺にはくれないくせに・・。贔屓だな。」 「に?」 「いや、何でもない。おいしかったか?」 「うん!今度は拓磨様と食べたいの。」 そう言って、笑顔で見上げてくる。 の何気ない言動に俺は心を動かされる。 「そうだな。」 一言で表すなら、『純粋』。でも、ただ真っ白ってワケじゃない気がする。 純粋だけど複雑・・そんなところだな。 「・・わけわからん。」 そう呟くと、不思議そうな顔で見上げてくる姫と目が合った。 何処から何の目的で来たのか、そんな事は一切知らない。 でも・・・ 「(守ってやりたい。)」 その気持ちだけは変わらない。 ――ギュッ 俺がそんなことを思ってると、ふと俺の手を握る力が強まる。 「どうしたんだ?」 「拓磨様。」 「ん?」 「大好きッ!」 「なっ。」 顔に熱が集中してるのが分かる。 夕暮れ時でよかった・・。 「あ、とんぼだぁ。」 当の本人はまったくの無視。 少し、悔しい。 だから、俺も・・ 「好きだぞ。」 「に!」 の顔が夕日と同じ色に染まった事は、俺とトンボだけが知っている。 ―やられっぱなしは、趣味じゃない― †あとがき† 緋色お題シリーズですッ(>∀<) 最初は、拍手のお礼としてUPするつもりでしたが・・・こっちのが皆様に読んでもらえるので、 SSとしてUPしました。 拓磨は負けず嫌いだと思います。