暖かな日常
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鬼斬丸を封印してから数ヵ月が経つ。
あの時の事が嘘のように思えるくらい、俺は平和な日々を送っている。
今日は、珠紀に久しぶりに夕食を食べていかないかと誘われた。
真弘が間を開けずに二つ返事をした。
そして今、俺達は宇賀谷家にいる。
正確には縁側にだが・・。
春の訪れを感じさせる、暖かな風が美鶴特製料理の匂いを運んでくる。
鼻をくすぐる匂いから、今日の夕飯は鍋かと思っていると、ふと膝に重みを感じた。
「ん?」
「にー。」
見てみると、が俺の膝に頭を乗せている。
大した負担でもないので、そのままにしておくことにした。
――ガラッ
「祐一先輩、ご飯できましたよ。」
「分かった。頂く・・。」
腰を上げようとするが、が膝に乗っている事を思い出して中断する。
「・・?」
「・・・。」
どうやら寝てしまったようだ。
このまま寝かしておいてやりたいのだが、せっかくの夕飯が冷めてしまう。
それに・・
「風邪を引く・・。」
軽く肩をゆすってやる。
「んっ。」
曇った声が小さな口から漏れた。
その仕草に思わず頬が緩まる。
「ゆ・・いち、さま?」
膝から重みが消える。
「あぁ、俺だ。起きろ、夕飯ができている。」
夢現だっただが、俺の一言で一気に目が覚めたようだ。
「ごはんッ!」
「あぁ、行くぞ。」
そう言って、の手を取り暖かい夕飯の待つ居間へと入って行った。
――願わくば、こんな日常が永久になるように・・――
†あとがき†
お題シリーズ第二弾ッ!!
祐一先輩ですッ。お初書きだったんで、非祐一氏になってしまいました;;
祐一先輩の膝枕・・・はぁはぁ(*´д`)←
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